お子さんの能力を開花させるために(お子さんを育てている父母の方へ)
2020.12.22 その他重要な点
少し長文でご面倒をおかけしますが、子供達にとって非常に大事なことなので、一読頂けると幸いです。
子供は自分が「すべき」ことを本能的に知っています。彼らは「すべき」ことを「したい」と思いやすい存在だからです。我々大人よりも、その感覚は優れています。
子供の内の様々な経験は、その子が大人になった時に非常に大事な財産となります。そして、子供は自らそういった必要な経験を「したい」と思うもので、親は子がそういった経験を重ねることを支えるべきです。
最近、子供達に自分の持っている様々な楽器に触れてもらう機会がありました。中でも、ある女の子はチェロにのめり込み、チェロを始めることを決意していました。
その子はバッハのチェロ組曲の最初の1フレーズを一時間も楽しそうに自ら練習していて、ほとんどの大人であれば飽きてしまいそうなことを楽しそうにやっていたことに驚きました。
子供は「元気」を大人よりも強く抱いている存在で、そういった「元気」が「〜をしたい」という「気持ち」を起こし、「やるべき」ことを「楽しい」と思わせます。だからこそ、上達や成長が早く、これは大人よりも子供の方が優れている点です。
こういうことが分かると、子供が楽しく何かを学ぶように促すことが非常に大事であることの深い意味が分かってきます。逆に、強制的に何かをさせることは子供の心にとってマイナスですし、成長も遅くなります。
その子はチェロを「すべき」だからこそ「チェロを始めたい」「チェロは楽しい」という「気持ち」が起こっているのですが、チェロは安い楽器ではなく、比較的お金のかかる楽器です。
だからこそ、親にとっては経済的な一つの試練も発生するのですが、なんとかこの子の両親がチェロをこの子に買ってあげることが実現すればいいなと思っていました(最近はAmazonで初心者用のチェロが25000円くらいから売ってます)。
大人は何かと色々と現実的なことを考え過ぎて、「すべき」ことを「したい」と思っても、「しよう」と思うまでには至らないことが非常に多いです。それに対して、子供は現実的なことを考えないからこそ、「したい」と「しよう」のギャップがほとんどなく、「すべき」ことを実現しやすい存在です。
また、大人が何かを「したい」と思う時、それが本当に「すべき」ことではないことも少なくありません。子供よりも大人は「邪気」によって本当は「すべき」ではないことを「したい」と思いやすい存在だからです。
我々人間は自分自身で「〜をしたい」と思うのかを決められません。何かを「したい」と思う「気持ち」は我々に起こるものであって、起こしているものではないからです。つまり、何らかの「気」を「持つ」ことによって、「〜をしたい」という「気持ち」は我々の中に起こります。
子供は「邪気」を持つことが大人よりも少ないです。その本質のことを「無邪気」=「邪気が無い」という言葉は示しています。子供達は大人よりも「正気」を持ちやすく、「正気」が彼らの中に「〜をしたい」という「気持ち」を起こします。そして、「正しい気」が彼らに正しい「道」を教えてくれます。
例えば、子供は「遊びたい」という「気持ち」を大人よりも強く抱いていますが、彼らが行なう遊びは彼らが「元気」を持つことを支えています。この「元気」こそ、子供が持つ「正気」であって、彼らは遊ぶことによって「正気」を自分の中によく持ち続け、その「元気」という「正気」が彼らを守り、彼らを導いています。
このような意味では、彼らが遊ぶことを大人は極力止めることをすべきではないのですが、「気」のことを見失っている現代は子供の遊びを止めがちな大人が少なくありません。
「気」のことに限らず、現代は物事の意味を見失っている時代だからこそ、子供達が「したい」と思っている事にどういった大事な意味があるのかを大人達は分からず、だからこそ、子供が「したい」と思うことを簡単に止める事ができてしまっています。
例えば、ママゴトをする少女達は母性を養う大事な修行をしているのであって、実際に彼女達がいつか母親になった時に、ママゴトで経験したことのある母性の感情が実際の子育てに良い影響を与えることもあるのですから、極力彼らのママゴトは止めるべきではありません。
楽器を子供達に紹介した話に戻りますが、自分は持っている楽器が多く、車からの楽器の積み下ろしと組み立ては引越しに近い作業だからこそ時間がかかるもので、その作業だけでたくさんの時間がかかってしまいました。
しかし、その子がチェロといい出会いを果たしている姿を見て、時間を惜しまずに参加を引き受けて良かったなと思いました。その子が「すべき」ことを「しよう」とすることを促せたと思うからです。
こういうことがたくさん起きることで、世の中はより良いものになっていくと信じています。そういう意味で、子供達が何か新しいものに触れる機会を大人が用意してあげることはとても大事なことだと思います。
(2020/12/18のFacebook投稿より)