「嫌悪」の種類(2021/1/5更新)
2020.05.02 心の成り立ち(入門)
「嫌悪」は「自分が不利益を得ることを嫌がる気持ち」であって、だからこそ、その状態から脱することを「欲望」することに繋がりやすい性質を持っています。この「自分が不利益を得ることを嫌がる気持ち」は全ての「嫌悪」に共通するのですが、どのような「不利益」を得るのかということについては複数の種類があります。例えば、以下のような形です。
「手に入れられないのは嫌だ・楽しめないのは嫌だ」:「嫌悪」
「負けるのは嫌だ」:「負けず嫌い」
「劣っているのは嫌だ」:「劣等感」
「苦労は嫌だ」:「怠惰」「逃げ」
これらの「嫌悪」は、それぞれの「不利益」が嫌だからこそ、「欲望」に転じる性質を持っています。例えば、「負けず嫌い」は「負け」を「嫌悪」するからこそ「勝ち」を「欲望」し、「優越感・劣等感」は「劣っていること」を「嫌悪」するからこそ、「優れていること」を「欲望」します。つまり、これらの「嫌悪」はその気持ちの中に「嫌悪」と「欲望」の両方を持っているものです。
こういった形で異なる種類の「嫌悪」を取り上げると、
「嫌悪」:「〜が嫌だ」
「怒り」:「〜が許せない[〜が本当に嫌だ]→こらしめてやる」
「恐怖」:「〜が怖い(のは嫌だ)」
「疑い」:「〜を信じるのが嫌だ→疑おう」
「不安」:「〜が少し怖い(のが嫌だ)」
「後悔・罪悪感」:「〜するんじゃなかった[〜したことが嫌だ]」
「劣等感」:「〜が劣っているのが嫌だ」
「怠惰」:「〜をするのが嫌だ→怠けたい」
「苛立ち」:「イライラする(のが嫌だ)」
「憂鬱」:「(漠然と)なんだか嫌だ」
「嫉妬」:「自分にできないことを彼・彼女ができるのが嫌だ」
「負けず嫌い」:「負けは嫌だ→勝ちたい」
「逃げ」:「現状が嫌だ→逃げたい」
「焦り」:「間に合わないのは嫌だ→間に合わせたい」
「被害妄想」:「〜に悪く思われるのは嫌だ」
こういった形で、それぞれの「嫌悪」の気持ちは何らかの「不利益」を嫌だと思う気持ちです。例えば、「怠惰」は「何かをすること」を「不利益」に感じるからこそ、その「不利益」を嫌だと思う気持ちです。
これらの「嫌悪」に堕ちそうな時は、それを「欲望」に転じさせることなく、その「嫌悪」から脱して頂けると幸いです。「〜→〜」という形で書いているものもありますが、これらは「嫌悪」から「欲望」に繋がりやすいものですので、注意して頂ければ、と思います。例えば、「怒り」は相手に対する強い「嫌悪」だからこそ「〜は許せない」と思い、その気持ちを発散させるために「相手を攻撃したい」という「欲望」に繋がりやすいものです。「〜は許せない」と思っても、「相手を攻撃したい」という「欲望」に同調しないように心の中で闘って頂ければ、と思っています。
それぞれの「嫌悪」は脱し方があります。例えば、「不安」に堕ちそうな時は「不安要素」を明確にし、その「不安要素」を解決していく必要があります。そういった心の努力によって、「嫌悪」に堕ちることは防ぐことができます。
とにかく、このページでは、こういった様々な「嫌悪」に関する気持ちがあるということを知って頂けると幸いです。