私が一番オススメする宗教はアートとも言える程に、アートは我々に大事なことを教えてくれます。つまり、アートは我々に心の本質、「気持ち」の本質を教えてくれます。

 

例えば、宮崎駿の『天空の城ラピュタ』の「善」と「悪」の描かれ方を通して、我々は「善」と「悪」に関する基本的な「ルール(真実)」を理解できます。それは他の素晴らしい映画監督も同じであって、日本人監督だと、高畑勲・庵野秀明・小津安二郎・北野武など、全員アプローチは違っても同じような意味を持っています。

歌はもっと細かい単位で大事なことを教えてくれます。例えば、今井美樹・手嶌葵は「愛」の「美」を教えてくれます。それと同様に、UA・Salyu・Aimerは「問題解決の心」の「力強さ」を教えてくれ、桑田佳祐・ユーミン・クラムボンは「元気」の「温かさ」を教えてくれ、降谷建志・矢沢永吉・B’zは「闘いの心」の「勇ましさ」を教えてくれます。このような形で、歌手達はそれぞれの「気持ち」に関する「ルール(真実)」を教えてくれます。

また、それぞれの役者達も我々に異なる「気持ち」の本質を教えてくれます。例えば、オードリーヘップバーンや原節子は多くの作品の中で「愛」の「美」を表現し、北野武や木村拓哉は多くの作品で「闘いの心」を表現しています。

このような意味で、アートを本当の意味で理解できれば、大事なことは大体理解することができます。だから、様々な作品を鑑賞することはとても大事です。そして、鑑賞した後にそのアートがどんな意味を持っているのかを分析することが大事です。

ただ、そのアートがどんな意味を持っているのかを分析することは簡単なことではありません。何故ならば、分析するためには分析のための観点が必要だからです。だから、私はいつもそういった観点を人に与えることを目指しています。また、死ぬまでアートの解説はし続けるつもりです。

人は、言葉のレベルで物事を理解して初めて意識化ができます。そして、意識化して初めて人はその知識を現実に応用できます。だからこそ、言葉のレベルで理解することが大事です。逆に言うと、曖昧な感覚だけだと現実に応用することが難しいです。

例えば、オードリーヘップバーンは「美」の性質の強い「愛」を表現しているという意識化をして初めて、オードリーヘップバーンと似た人を見た時に、その人は「美」の性質の強い「愛」を持っているということを理解できます。曖昧な感覚だけだと、「あの人綺麗よね」で終わってしまいます。これでは、その人が「愛」を持っているということを見逃してしまいます。ちなみに、「美」の性質の強い「愛」とは「金の気持ち(愛そのもの)」のことです。

アートは大事とは言っても、「闇」のアートと接する時はかなり注意が必要です。例えば、『ダークナイト』のジョーカーは「欲望」や「狂気」の本質を我々に教えてくれますが、ジョーカーの「かっこよさ」に心惹かれてしまうと、ジョーカーと似た「欲望」や「狂気」を選びたくなってしまいます。そうなると、ジョーカーを見たことによって、生き方を誤ってしまいます。これはマリリンマンソンなども同様です。

つまり、「光(愛)」を表現するアートに触れ、「光」に「好意」を持つことはいいことなのですが、「闇(欲望)」を表現するアートに触れ、「闇」に「好意」を持つことは非常に危ないということです。「好意」は我々をいい方向にも導くこともあれば、悪い方向に陥れることもあります。だからこそ、何が「闇」のアートなのかを事前に理解しておくことはとても大事です。

「闇」のアートに触れることは敵の本質を理解する上では役立っても、敵の「魅力」を知ることにも繋がります。「光」にも「闇」にも、それぞれ異なる「魅力」はあり、「魅力」を知ることが「好意」に繋がるから、「闇」のアートを鑑賞することは危険な行為です。こういった危険性を意識化した上で「闇」のアートに触れるのであれば、「闇」に堕ちることは防ぎやすくなるので、このことは是非意識化して頂けると幸いです。

この世界は「光(愛)」と「闇(欲望)」の「気持ち」によって成り立っています。そして、この世界にある優れたアートは「光」と「闇」を表現しています。何故ならば、優れたアートは人々が共感できる作品であって、共感できる作品とは「気持ち」の本質を表現している作品だからです。だからこそ、この世界の「ルール」=「真実」を理解する上で最も参考になるものは、優れたアートです。

「光」のアートは「愛」という「正解」を、「闇」のアートは「欲望」という「間違い」を教えてくれます。だからこそ、我々はアートを通して「光=愛=正解」と「闇=欲望=間違い」を理解することができます。それを理解することで、我々はより「正解」を選びやすくなり、より「間違い」を選びにくくなります。そういう意味で、アートとは我々人間にとって、人生の教科書です。

また、アートはこの世界のことを表現する「パズル」とも言えます。一つ一つのアートは異なる「パズル」のピースであり、パズルの「ピース」を多く深く理解すればするほど、世界の全体像が見えてきます。つまり、「光」と「闇」の全体像が見えてきます。

まず最初に理解すべきアートは宮崎駿です。宮崎駿の作品はこの世界の「光」の部分のパズルのピースをまんべんなく広げてくれてますから、この世界の「光」の全体像を理解する上でとても役立ちます。そして、「光」のアートだからこそ、リスクが少ないです。

どうか、アートの重要性を理解して頂けると幸いです。