明けましておめでとうございます。新しい年になってちょうど1ヶ月で、旧暦では今日が元旦ということもあって、この3ヶ月の近況のこと、これからのことを書かせて下さい。

ただ、文章で書こうとすると文量がとてつもないことになってしまうので、このページでは主に動画を通して伝えることを目指したいと思います。この3ヶ月滞在していた、屋久島と大分という二つの場所毎に書いていきます。
 

【屋久島】

一つ前の近況報告の文章でも書きましたが、屋久島に滞在していました。ちょうど、屋久島の光と闇のことをよく表現している映像を作ったので、紹介させて下さい。
 

・泡の鳳凰
 


屋久島に到着してから、屋久島の「水」の「神秘」を伝える映像と音楽を作成していました。その最後の一部がこちらです。雨がとても多く、100本以上の川が流れる屋久島は「水の島」とよく言われますが、その「神秘」を感じて頂けると幸いです。

 

・屋久島の舞踏家
 


屋久島に20年近く住んでいる舞踏家がいて、その方の映像を作りました。屋久島がモデルとなった『もののけ姫』を通して描かれている通り、屋久島には恐ろしい側面もあり、そういった側面を感じて頂けると幸いです。この映像は、場所の力を借りて踊ることの意味も伝えるものになっていると思います。

 

・益救神太鼓
 

 

屋久島では大晦日に益救神太鼓年越祭という祭りが行なわれ、その祭りでは屋久島の善の神と悪の神の対立が描かれています。屋久島の本質を表す大事な祭りであるにも関わらず、今までちゃんと撮影された映像がYouTubeに無かったので記録できて良かったと思っています。

 

[まとめ]

この3本の動画のように、屋久島の「光」と「闇」を経験し、表現のレベルに変換することに努めていました。屋久島の「光」は「水」であるのに対して、「水」に近い「闇」の力も屋久島には強く存在します。

しかし、その両者共にそれぞれ相当広く深い「神秘」を持っているのが屋久島であって、だからこそ、我々現代人が見失ってしまった見に見えぬ力を屋久島は様々な形で我々に教えてくれます。

そういった力を人々が感じやすくするためにも、屋久島の持つ「神秘」の力を表現のレベルに変換し、整理していくことは大事だと思っています。
 

※余談

表現活動以外の点でも色々学ぶことが多く、例えば、屋久島のオリジナルヒッピーのおじいさんやおばあさん達がまだ住んでいる集落に伺わせて頂き、彼らのお話を色々聞かせて頂いたり、屋久島で独特な修行をしている野人の方と色々お話しさせて頂く機会もあり、大変良い刺激となりました。その野人の方の映像も撮影したので貼り付けておきます。
 


人間が屋久島とどのように向き合っていきていくべきかという可能性はとても豊かです。特に、自分の場合、屋久島は修行の島としてとても大きな可能性を持っていると感じていますし、そのような形で屋久島が活かされていくことを促したいと思っています。

そういう意味では、現状屋久島と人々がどのように共に生きているのかを知ることはとても大事なので、舞踏家の方にしても、大晦日の祭りにしても、オリジナルヒッピーの方にしても、野人の方にしても、彼らの屋久島との向き合い方はとても参考になりました。

 

【大分】
 


大分で向き合っていたのは鶴見岳と由布岳です。鶴見岳の山の中にポツンとある山小屋に合計約2ヶ月間滞在させて頂いていましたが、太鼓修行や鶴見岳分析に励んでいました。

鶴見岳は別府温泉の根源であって、別府は世界一の湯量を誇る温泉地です。そして、温泉にはその山の影響がとても強くあります。ですから、鶴見岳の本質を知るということは世界的にもとても大事なことです。

別府には「地獄」や「鬼」という地名が非常に多いです。それは鶴見岳が非常に恐ろしい側面を持っていることの表れなのですが、そういった性質を伝える鶴見岳の新しい祭りが開催され、そのお祭りの撮影や分析も行っていました。


〜鶴見岳〜
 

・『廣川玉枝 in Beppu』(祭りの名前)
 


この動画は下に載せている太鼓1ヶ月目の動画の太鼓に様々な楽器の音を足し、この祭りの意味を感覚的に伝えるために作成したものです。太鼓を基準に音楽を作るということを初めて実践しましたが、良い修行となりました。

 

・太鼓1ヶ月目
 


この動画は太鼓を始めて1ヶ月の頃の即興演奏と、そのお祭りの様子を組み合わせて作成したものです。鶴見岳の中で太鼓を叩いていると、鶴見岳の「恐ろしさ」を感じることも少なくありませんでしたが、そういった「恐ろしさ」をこのお祭りは伝えてくれていました。

 

・鶴見岳のチューニング
 


その場所に行って、その場所のチューニングを見つけるということを実践し続けていますが、鶴見岳の気質を伝えるチューニングを作って動画を作成しました。鶴見岳の「神秘」を感じて頂けると幸いです。

 

・龍ライアーとチェロ
 


この動画はほとんど補足説明のようなものですが、こういった形で、屋久杉ライアーハープの音色を基準に、他の楽器のチューニングも合わせ、音楽を作るという可能性を研究しています。

 

〜由布岳〜

・由布岳のチューニング
 


鶴見岳の隣に並ぶ由布岳の気質は鶴見岳と異なり「美」の側面が強いです。特に、金鱗湖という湖が由布院にはあり、その湖には由布岳を根源とする温泉も湧いているからこそ、冬は湯気が立っています。そういった由布岳の「神秘」を感じて頂けると幸いです。

 

・由布岳のある歌手
 


由布岳をテーマにした歌を歌うある歌手と出会い、その方の歌を録音・撮影する機会がありました。「由布彩(ゆふあ)」という名を持つ我が子のことを歌った歌で、由布岳に支えられながら子育てをする親子の様子を通して、由布岳的な「母性」を感じて頂けると幸いです。


[まとめ]

屋久島の中に「水」を基準とする対立軸があるように、鶴見岳と由布岳は「火」を基準とする対立軸があります。例えば、鶴見岳は「勇ましさ」の「火」であるのに対して、由布岳は「美しさ」の「火」です。また、鶴見岳は「恐ろしさ」の要素を強く持つのに対して、由布岳は「安らぎ」の要素を強く持ちます。

そういった両者の違いを感じる上で、別府と由布院の観光地はとてもいい対立軸を持っており、別府の地獄巡りと由布院の金鱗湖はちょうど対照的です。

こういった意味を理解しながら人々が観光をするだけでも、人々は山という存在の本質をより感じやすくなるので、この対立軸を伝え続けることは生涯やっていくべきだと思います。

そして、「大分」という地名そのものであるように、これだけ興味深い対立軸を大分は持っている点に、大分の重要性の一つがあると思います。

 

【今後について】

明日大分を離れ山梨に戻ります。山梨に戻ってからは富士山と向き合うことになると思うのですが、できれば、この冬の間になんとか「雪」と「氷」と向き合うことは実践したいと思っています。そのために、経済的に余裕があれば北海道に行き、オホーツク海の流氷や北海道の山々と向き合いたいと思っています。

鶴見岳と由布岳のように、北海道にも雄阿寒岳と雌阿寒岳という対の構造を持つ山があり、以前北海道に行った時に意図せず出会うことになりました。いずれは雄阿寒岳と雌阿寒岳とも向き合いたいと思っていますが、今の経済状況からすると、この冬の間に行くことは全く不可能です。

今回屋久島と大分の滞在はそもそもの予定では1ヶ月半の予定でした。しかし、屋久島から九州本土へのフェリーの欠航が相次いだことや、山梨に戻ろうとしたちょうどそのタイミングで山梨の家の水道管が破裂してしまうなど、相次ぐトラブルによって、ほぼ強制的に大分と屋久島に滞在することになり、それが大きな学びと成果に繋がっていた一方、経済的にはどん底に追い詰められています。

今現在の全財産は2万円を切っており、それだけでは車で山梨に戻ることも不可能なのでクレジットカードでなんとかしながら帰るつもりです。また、実は一月の家賃をまだ払えておらず、他にも諸々払わないといけないお金が払えていない状況で、大変経済的に厳しい状況を迎えています。

そういう現状を踏まえると、とても北海道に行くことなど考えづらい状況ですが、理想的には目の前の経済的問題を乗り越え、北海道での修行と研究をまだ寒い間に実践すべきだと感じています。そして、こういう直感を信じて動くと、なんらかの成果に繋がるということは経験的によく分かっています。

今回の屋久島と大分滞在の前も同じような直感が来ている中、経済的にはほぼ無理矢理滞在を実践しましたが、将来の日本のためになるような事柄を色々学ぶことができ、また、資料的価値を持つものも色々残せたと思っています。そういうことを今後も実践していきたいと思っています。

こういった移動を通して自分がやろうとしていることは、一言で言うと「日本とは何か?」を伝えるためのものです。つまり、日本という場所は潜在的にどのような力を持っているのかということを、自然と向き合うことを通して、その自然を信仰する祭りやその自然に生きる人々を分析・記録することを通して、明らかにしていこうとしています。

日本という土地が元々持つ力と日本人が真に共にいい形で生きていけたなら、この国は本当にとてつもなく素晴らしい国になっていくことができますし、この星をより良い星にしていくことができる人材を膨大に生み出す国になることができると信じていますし、自然と向き合っていると、そういうことを確信していくばかりです。

そういうことを促していくために、まず初めに、自分自身が日本が元々持つ力とは何なのかを、修行と研究を通して徹底的に学び、その学びを文章や音楽や映像の形で徹底的に整理していくことをやっていくべきだと思っています。

「八百万の神」といった発想をすっかり見失ってしまった現代の日本にとっては、自分のような活動はもはや求められもせず、その価値を分かってくれる人も非常に稀ですが、本質的にこの国に必要なことだと信じて努力しています。もし、このような活動を御支援して下さる方がいらっしゃいましたら、以下の口座に寄付をお願いできると幸いです。

りそな銀行 福岡支店(店番号:711) 口座番号 0255762(普通預金) 芦刈 純(アシカリ ジュン)

経済的にどうしようもなくなれば、アルバイトをせざるを得ませんが、アルバイトをする時間はあまりにももったいなく、自分が本当にやるべきことに専念したいと思っています。