映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズは大変重要な作品で、様々な教訓に満ちた人類の宝のような映画です。このページでは、『ロード・オブ・ザ・リング』三部作の最重要な点だけを非常に簡潔に説明したいと思います。

最近、アマゾンプライムで新シリーズが始まったり、IMAXに編集され直された映画が再上映されているので、この機会に再びこの重要な作品に触れることは大事なことだと思います。
 

【指輪の意味】

この物語の中で中心的な役割を果たすのが「指輪」です。そして、この「指輪」は特別な力を持っており、登場人物達の心を揺さぶります。この映画シリーズにおいて最重要な点は、この力の意味を理解することです。

「結婚」とは「婚(夫婦の縁)」を「結ぶ」ことを意味しますが、結婚すると人は「指輪」をはめるように、「指輪」は「縁」を「結ぶ」ことを象徴する存在です。そのような意味で、映画の中で登場する一つの指輪は、悪魔との「縁」を結ぶことを象徴する存在です。

目には見えませんが、「縁」とは「気」が流れるラインの役割を果たす存在です。そして、悪魔は「邪気」を強く司り、「邪気」によって我々人間をコントロールしようとする存在なので、一つの指輪を持ったり、その指輪の側にいると、指輪を通してやってくる「邪気」に心を揺さぶられます。

そのような意味で、彼らが指輪を滅びの山に葬るということは、悪魔との「縁」を断つということを象徴しています。


【光と闇】

指輪が放つ「邪気」の持つ「闇」の力に惑わされないようにする上で必要となるのが、心の「光」であり、心の清さです。主人公のフロドは指輪がもたらす「邪気」によって身も心も疲弊されながらも、心の清さによって滅びの山まで指輪を運ぶことを実現します。

「邪気」と対の関係にあるのが「正気」です。そして、「邪気」は「欲」や「嫌悪」をベースとするのに対し、「正気」は「愛」をベースとします。ですから、「愛」を貫くことができれば「邪気」に飲み込まれないのに対して、「欲」や「嫌悪」を抱いてしまえば「邪気」に取り憑かれます。

また、心の「弱さ」は「闇(邪気)」に向かわせる力を持つのに対して、心の「強さ」は「光(正気)」を貫かせる力を持つといったことを意識することも大事な点です。そして、「正気」は我々に「正しい道」へ導くのに対し、「邪気」は我々に「間違った道」へ導きます。

このような基本的な構造を踏まえて、それぞれの登場人物達が「光(正気)」と「闇(邪気)」のどちらを選んでいるのかを理解することが大事なことで、そういう観点を踏まえて映画を観ることができるなら、我々は大事な教訓を得られます。

そして、更に大事なことは、こういった「光」と「闇」の選択が我々の日常の本質でもあるということを意識して、この映画と向き合うことです。この物語の中では、「指輪」という目に見える存在が登場人物達の心に影響を与えているので、「邪気」や悪魔との「縁」の恐ろしさを分かることがしやすいです。
 

【最後に】

1000年の節目である2001年にこの映画シリーズが生まれたことに大変大きな意味があると思っています。というのも、フロド達が経験した心の試練をこれからの1000年で我々人間はやっていく必要があるからです。

「邪気」は空気中に飛んでいる我々にとって大変身近な存在であり、それから完全に逃れて生きていくことはできません。だからこそ、我々は常に「光」と「闇」の選択を迫られている中を生きています。

少しでも心に隙があれば、我々は「闇」を無意識に選んでしまいます。逆に、愛する誰かと共に生きることは、我々が「光」を選ぶきっかけを与えてくれます。そういった、我々の生きている人生の本質をこの作品は大変分かりやすく我々に教えてくれるからこそ、この映画シリーズは大変重要な作品です。


※余談

『ロード・オブ・ザ・リング』は非常にスケールの大きい超大作なので、パソコンの画面で鑑賞するのに向かない作品です。ですので、今回のIMAX上映が行われる映画館の近くにお住まいの方は、是非劇場で御覧下さい。