台風は洗濯機みたいなものです。様々な「闇の気」を雨と風で洗い流してくれます。だからこそ、台風の後の空気は美味しいです。台風の後の空気が浄化されていることから、台風が浄化のためにあるということは理解できます。

そもそも、雨や風は地上を浄化するためにあります。水は様々な「気」を洗い流す力があり、風は様々な「気」を運ぶ力があるからです。雨の後の匂いはとてもいいものですし、風は様々な匂いを運んできます。匂いとは「気」そのものなので、匂いの変化から雨と風の役割は理解できます。

台風はそういった意味を持った雨と風がお互いに非常に強い力を発揮しているものだと理解してもらえれば、と思います。台風の時、雨と風は強い協力関係の中で、普段の雨や風だけでは浄化できない様々な汚れた場所や物を徹底的に浄化してくれています。

また、台風は人間に試練を課すものでもあります。例えば、農家の方からすると、台風は農作物をダメにしてしまう厄介な存在でもあります。けれども、台風によって農作物がダメになってしまった時に、「絶望」などに堕ちないように心の中で闘うならば、そういう時に人は「強さ」を養います。今の日本人の多くは農地を持っていないので、台風が現代の我々に与える主な試練は交通機関の乱れによって起こる「苛立ち」「焦り」「不安」といったものとの闘いなどです。

試練とは、その本人の心が負けなければ成長を促すものであって、負けてしまうのであれば「闇」に堕ちるきっかけにもなるものです。だからこそ、心が負けない人にとっては台風は一つの成長のきっかけを与えてくれるものですが、心が負ける人にとっては台風はただ迷惑に感じてしまうものです。我々現代人は台風をただただ迷惑なもののように捉えていますが、それは我々の生き方がそういう風に思わせているだけになります。

台風が地上の浄化のためにあることを人が理解したならば、人は台風に感謝できます。しかし、こういったことを理解していないからこそ、人は台風を「嫌悪」の対象にしてしまいがちです。また、台風は我々に試練を与えるものであることを理解したならば、台風によって経験する試練をもっと頑張ろうと思えます。しかし、こういったことを意識化していないからこそ、人は簡単に悪い気持ちに堕ちがちです。

だからこそ、こういったことを知ることはとても大事です。何かを知るということは、本人が意識しているしていないに関わらず、その人の生き方を変える力があります。台風は我々が付き合っていかなければならない一つのものですから、この文章を通して、台風に対する向き合い方を変えて頂けると幸いです。台風は本当はとてもありがたいものだからです。