「愛」の種類(2021/1/5更新)
2020.05.02 心の成り立ち(入門)
「愛」は「他者を大事と思う気持ち」であって、だからこそ「他者のため」に何かをしたいと思います。この「他者を大事と思う気持ち」は全ての「愛」に共通するのですが、「他者のため」にどのような「愛」を実践したいと思うのかということについては、大きく分けて4種類あります。
「相手を助けたい」
「相手を元気にしたい」
「相手を守りたい」
「相手を支えたい」
そして、この異なる4つの「愛」の気持ちが異なる愛の実践方法に繋がっていきます。
「相手を助けたい」からこそ、相手の抱える「問題を解決」することを目指す:「問題解決の心」
「相手を元気にしたい」からこそ、相手に「笑い」をもたらし「元気」にしようとする:「元気・笑いの心」
「相手を守りたい」からこそ、相手を傷付ける敵と「闘おう」とする:「闘いの心」
「相手を支えたい」からこそ、相手の立場になって考える「思いやり」をしようとする:「優しさの心」
これらは全て「愛」=「相手を大事に思う気持ち」から生まれる気持ちですが、異なる方向性を持っています。そして、この方向性の違いがこの4つの気持ちの様々な違いを生み出し、それぞれ長所と短所を持っています。
例えば、「相手を支えたい」という「優しさ」は相手を「支える」上では最も優れていますが、相手に対する「甘さ」にも繋がりやすいものです。何故ならば、「思いやり」は相手の「問題」さえも肯定したくなる気持ちに繋がるからです。それに対して、「相手を助けたい」という「問題解決の心」は相手の抱える「問題を解決する」上では最も優れていますが、相手に対する必要以上の「厳しさ」にも繋がりやすいものです。何故ならば、相手が抱える「問題」はできるだけ指摘してあげたいという気持ちに繋がるからです。
「愛」と「欲望」は対立関係にあるものですが、「愛」同士でも対立することはよくあります。例えば、「優しさ」を実践する人からすると「問題解決」を実践する人は「厳し過ぎ」に感じ、「問題解決」を実践する人からすると「優しさ」を実践する人は「甘過ぎ」に感じるといったことです。
ですから、それぞれの「愛」が元々どのような意味で異なる性質を持っているのかを事前によく理解しておかないと、感情的に対立してしまって、お互いに間違っているように感じてしまい、敵対してしまいます。本来、それぞれの「愛」は協力し合うことによって最大の力を生み出すものです。しかし、対立してしまっては協力すべき仲間と協力できません。このような意味でも、「愛」の違いを学ぶことはとても大事なことです。
それぞれの「愛」がどのように異なるのかを理解することで、どのような場面にはどのような「愛」が最も有効なのかということを学ぶことができます。そのことによって、それぞれの「愛」はとてもいい形で協力し合うことができるようになり、大きな力を生んでいきます。だからこそ、このホームページではそれぞれの「愛」の性質について説明を書いています。
それぞれの「愛」には名前があり、それは物質のデザインに対応しています。「水」が汚れたものを洗い流す「問題解決」の力を持っているように、「問題解決の心」は「水の気持ち」と言います。そして、「火」が我々を温めたり、時には物を焼き尽くすことができる力を持っているように、「元気・笑い」「闘いの心」は「火の気持ち」と言います。そして、風が穏やかに空気を運んでくることによって生き物を支える力を持っているように、「優しさ」は「風の気持ち」と言います。
「水の気持ち・火の気持ち・風の気持ち」と書くと、特別な話のように思われてしまうかもしれませんが、「相手を助けたい・相手を元気にしたい・相手を守りたい・相手を支えたい」という4つの気持ちはどのように異なるのかを、このホームページでは説明していると理解して頂けると幸いです。