「自分には悪い発想がよく起こるから、自分はいい人ではない」と、いい人程よく思います。そして、それが「自己嫌悪」に繋がることもあります。

この考え方は危険なので注意して頂けると幸いです。悪い「発想」が頭に浮かぶことは我々自身の「意志」を超えた出来事なので、悪い「発想」が起こるからといって、自分の「人格」が悪いと判断することは間違っています。

ただ、その悪い「発想」を自分が「選択(同意)」したら、たしかにその時はいい人ではないかもしれません。「自分のため」に、人を騙そうとしたり、人を利用しようとしたり、といったことなど、色々なパターンがあります。

また、「自分には良い発想がよく起こるから、自分はいい人である」という判断も同様の理由で間違っています。

「発想」は我々自身で起こすことができるものではないですが、我々は常にどの「発想」を「選択(同意)」するのかは決めています。その「選択」の仕方自体が自分自身の人格です。

こういった意味で、自分自身がどういう「選択」をしてきたのかを振り返って、自分自身の「人格」を見つめて頂けると、適切に自分が何者なのかを見ることができます。そのためには、どういう「選択」が正しく、どういう「選択」が間違っているのかを事前に知っておく必要がありますが、それは「光」と「闇」のことを深く理解する中で自ずと見えてきます。

行き過ぎた自己肯定も自己否定も良くなく、自分自身をどう見つめるべきかを意識化していないと、自分の見つめ方を誤ります。ですから、是非「選択」というキーワードの意味合いを意識化して頂けると幸いです。