自分が「自分のため」に「助かりたい・救われたい」といった「依存」は、「依存」の対象とする相手の本質を見誤らせる力を持ちます。何故ならば、「依存」が「期待」を生み出すからです。

つまり、「助かりたい」という「依存」が、「これ(この相手)が自分を助けてくれると思いたい」という「欲望」を生み出し、その心が「これ(この相手)が自分を助けてくれるはず」という「期待」を生み出します。そして、この全ての心の背景には「弱さ」があります。

例えば、世の中には、人の「依存心」につけ込むビジネスも少なくありませんが、判断力がある「冷静」な状態であれば引っかからないような商品などであっても、「依存心」が故に「冷静」でなくなれば引っかかってしまいやすくなります。

他人がそういうものに引っ掛かってしまう事を見ている分には、自分は引っかからないと人は思いやすいものですが、誰しもが心に「弱さ」を持っているので、誰しもが「依存」が故の「期待」によって、対象を過大評価する可能性を秘めています。

ですから、心掛けるべきことは「依存」に堕ちないことであって、そのことによって、間違った「期待」が生まれることは止められます。そして、「依存」に堕ちないために必要なことは心が負けないことであり、心が負けないために必要なものが心の「強さ」です。しかし、「強さ」を持つ人であっても、非常に困難な状況においては心が負けてしまいやすくなってしまうことも事実です。

だからこそ、「弱さ」「依存」「期待」といったもののこのような関係性を知ることは大事であって、このような「罠」があることを知ることが「罠」に落ちることを防ぐことに繋がります。参考になると幸いです。