「甘さ」とは自分が「すべき」ことを「しなくてもいい」と判断したくなる心です。つまり、「甘さ」は「怠惰」が故に起こる心であって、「楽」をすることを「欲望」する心とも言えます。

「甘さ」自体は自分が「楽」をすることを「欲望」しているだけであって、「悪意」はありません。しかし、「甘さ」は相手に「不愉快」な思いをさせることにも繋がりやすいですし、「誤解」されることも引き起こしやすいです。

例えば、AがBに「〜をする」と言ったのに対して、Aは「甘さ」が故に「もう少し遅れても問題ないだろう」と思ったとします。そうすると、BはAに対して「遅い」と思い「ストレス」を感じるかもしれませんし、「〜をすると騙された」と「誤解」するかもしれません。

このような意味で、「甘さ」に「悪意」は無いにも関わらず、相手に「不愉快」な思いを与えてしまいやすいのが「甘さ」の本質です。特に、このような「誤解」は人間関係の崩壊のきっかけにもなるので、「甘さ」に同調してしまった際は「誤解」が生まれることに最大限に注意すべきです。

「甘さ」は他人に「不愉快」な思いをさせるだけではなく、自分自身に重大な「問題」を起こすきっかけにもなります。例えば、「今日も飲んでも問題ないだろう」と思ってお酒を飲み続けた結果、お酒が原因で病気になるといった形です。「欲」によって「飲みたい」と思い、その「欲」を肯定するために「甘さ」によって「問題ないだろう」と思うわけですが、このような形で「欲」が「甘さ」に繋がることは大変多いです。

「甘さ」に同調しやすい人は「怠惰」な人や「楽観的」な人が多いです。また、自分が「寛容」な人程「甘さ」に同調しやすいところもあります。何故ならば、人は他人を自分と重ねて考えやすいので、他人も自分と同じように「寛容」だろうと思う結果、「この位だったら問題ないだろう」と思いやすいからです。

この文章を通して、「甘さ」は自分や他人を大きく苦しめることの引き金になる心であることを意識化して頂くことで、「甘さ」に対する警戒心を強めて頂けると幸いです。そういう警戒心が、実際に「甘さ」に同調してしまうことを止める心となるからです。