「金の気持ち」についての解説録音はこちらです。文章よりも音声解説の方が分かりやすいと思いますので、聴いてみて頂けると幸いです。


ここでは「金の気持ち」について解説を書きます。


【「金の気持ち」=「愛」そのもの】

「金の気持ち」とは「愛」そのものです。「水の気持ち・火の気持ち・風の気持ち」は「愛」が故に「相手を助けたい・元気にしたい・守りたい・支えたい」と思う気持ちですが、「金の気持ち」は「愛」そのものであり、「相手を大事に思う気持ち」そのものです。ですから、「金の気持ち」は、「水の気持ち・火の気持ち・風の気持ち」に繋がっていく気持ちでもあります。

「水の気持ち・火の気持ち・風の気持ち」は「愛」の実践のために「問題解決・笑い・闘い・思いやり」を使いますが、「金の気持ち」は「愛」の実践のために「愛」自体を使います。自分の「愛」を相手に感じてもらうことは、相手の心を癒す力があります。何故ならば、自分のことをどんな風に大事に思ってくれているのかを感じることは、嬉しさを感じることにつながるからです。

また、「相手を大事に思う気持ち」は「相手を感じたいと思う気持ち」にも繋がっていきます。例えば、大事な恋人、大事な友人、大事な家族とは会いたくなるものですが、会いたいという気持ちは「相手を感じたいと思う気持ち」です。「愛」が「相手を感じたいと思う気持ち」と密接な関係にあることは心の成り立ちを理解する上で、とても大事なことです。

「金の気持ち」は「愛」そのものだからこそ、他の「水の気持ち・火の気持ち・風の気持ち」以上に「相手を感じたい」と思います。そして、相手を感じるということは、多くの場合、相手も自分を感じることに繋がっていきます。「相手を大事に思う」からこそ「相手を感じたい」と思い、相手を感じている時は相手も自分を感じることに繋がるので、相手は自分の抱いている「愛」を感じ、相手は心を癒されていきます。「金の気持ち」はこのような形で「愛」を実践していく「光の気持ち」です。

「金の気持ち」は「相手を大事と思う気持ち」そのものだからこそ、相手が「幸せ」だと自分も「幸せ」であって、相手が「苦悩」を経験していると自分も「苦悩」を経験する側面を持っています。また、「相手を感じたいと思う気持ち」だからこそ、相手を感じることができれば「幸せ」を感じ、相手を感じられないと「苦悩」を経験する側面もあります。「愛」はこのような「幸せ(喜び)」と「苦悩(悲しみ)」の両方の側面を持っています。

「金の気持ち」を感覚的に理解する上で参考になるのが、「金の気持ち」を表現する物語の登場人物や「金の気持ち」を歌う歌手の歌です。アニメーションの登場人物を例に挙げると、宮崎駿作品のシータ、クラリス、グランマンマーレ、里見菜穂子、ラナ、ナウシカ(「水の気持ち」も有り)、『エヴァンゲリオン』の碇ユイ、『アルプスの少女ハイジ』のクララ、『赤毛のアン』のダイアナなどは「金の気持ち」を強く抱く人物として描かれています。これらの人物を通して「金の気持ち」=「愛」は物質の金のように「美」を持っていることを感覚的に理解できます。

  
  
  

役柄にも依りますが、「金の気持ち」を表現する女優も多くいます。過去の女優であれば、オードリー・ヘップバーンや原節子、現代の女優では吉永小百合や中谷美紀や満島ひかりなどが「金の気持ち」を多く表現しています。これらの人物達は元々人柄に「金の気持ち」を強く持っているからこそ、「金の気持ち」を演技でも表現することができる形になります。

日本人歌手で長年に渡って「金の気持ち」を歌い続けてきたのは今井美樹です。今井美樹の「今井」はアルファベットで書くと「Imai」であって「I'm ai」=「I'm 愛」と分解できます。このことと「美樹」を組み合わせると「I'm 愛 美 樹」=「私は愛と美の樹」となります。だからこそ、今井美樹の歌声は「相手を大事に思う気持ち」=「愛」を強く持ち、それが大きな「美しさ」=「美」を持っていて、我々は今井美樹の歌声から「愛」の「美」を学ぶことができます。是非以下の動画を御覧になって頂けると幸いです。
 

・今井美樹『PIECE OF MY WISH』


・今井美樹『PRIDE』


今井美樹は「愛」の「喜び(幸せ)」の側面を強く表現している歌手ですが、それとは対照的に、柴田淳は「愛」の「悲しみ(苦悩)」の側面を多く歌ってきました。ですから、柴田淳の歌は我々日本人に「愛」の「悲しみ(苦悩)」を教えてくれます。


・柴田淳『月光浴』


【「金の気持ち」と他の「光の気持ち」の違いと関係性】

「水の気持ち・火の気持ち・風の気持ち」も全て「愛」を含んでいるので、これらの気持ちは「金の気持ち」と性質が同じ部分もありますし、お互いに関係し合う部分もあります。そのことについて少し説明します。

我々人間は「水の気持ち・火の気持ち・風の気持ち・金の気持ち」のどれを抱きやすいのかということについて傾向があります。そして、それぞれの人間は自分の抱きやすい「光の気持ち」で「愛」を抱いています。例えば、DREAMS COME TRUEの吉田美和は基本的に「金の気持ち」の「愛」ではなく「火の気持ち」の「愛」を歌っています。
 


また、恋愛や友愛や家族愛という形で「愛」自体にも種類があります。友愛の時は「火の気持ち」を抱くけれども、恋愛の時は「金の気持ち」を抱くといった人も多くいます。そういった形で、一人の人間の中でも「愛」の使い分けを我々は無意識に行なっていることも知って頂けると幸いです。

あと、「水の気持ち・火の気持ち・風の気持ち」は「愛」を含んでいるので、恋愛や友愛や家族愛における「愛」は「水の気持ち・火の気持ち・風の気持ち・金の気持ち」の4つのケースがあります。その人が抱きやすい気持ちによって、我々は恋愛や友愛や家族愛を抱いています。

また、相手が同じでもその相手に対して異なる「愛」を実践するようなことも多くあります。例えば、自分の愛する恋人がいたとして、その相手に対して基本的には「金の気持ち」を抱いていても、ある時には、その相手を笑わせるために面白いことを言ってみたりしています。「愛」が故に相手を笑わせようとする気持ちは「火の気持ち(元気・笑い)」なので、この場合は「金の気持ち」が「火の気持ち」に移り変わったケースを意味します。

その人その人によって、どういう「光の気持ち」を強く心に抱えているのかは異なるので、「金の気持ち」がどの「光の気持ち」に移り変わっていくのかは異なります。「水の気持ち」が強い人は愛する人の抱える「問題を解決」することを目指しますし、「風の気持ち」が強い人は愛する人に対して「思いやり」を実践しようとします。このような形で、「金の気持ち」は他の「光の気持ち」に繋がっていくと理解して頂けると幸いです。

「金の気持ち」が他の「光の気持ち」に移り変わっていくことを理解する上でとても参考になるのは、『風の谷のナウシカ』のナウシカです。ナウシカは普段は「金の気持ち」で色々な相手に対して「愛」を持って接しているのですが、困難な状況に直面した時には「水の気持ち」を使って「問題解決」を行なっています。このように「金の気持ち」と他の「光の気持ち」を組み合わせることで、「金の気持ち」の長所と他の「光の気持ち」の長所の両方を活かすことができます。ナウシカはそういったことを行なっている理想の人間の姿として描かれています。

「金の気持ち」は「愛」そのものなので、「金の気持ち」が強くなると他の「光の気持ち」も強くなっていきます。例えば、「金の気持ち」が強ければ強い程、「水の気持ち」も強くなります。何故ならば、「水の気持ち」は「愛」が故に「問題解決」を実践したいと思う気持ちだからこそ、「愛」が強くなることは「水の気持ち」の動機の部分が強くなることを意味するからです。

動機(モチベーション)が強ければ強いほど、より大きな力が生まれます。その証拠に、我々は自分が本当に愛する人のためであれば、大きな力を持つことができますが、全然愛していない人のためには、小さな力しか持つことはできません。そして、「金の気持ち」が大きくなるということは、全体的にどんな人に対しても「愛」が強くなることを意味するので、全体的により大きな力を生み出していくことに繋がっていきます。ですから、「金の気持ち」が強くなることは、他の全ての「光の気持ち」を強くしていくことと繋がっていきます。


【「金の気持ち」と近い「闇の気持ち」】

以下に、「金の気持ち」と近い関係にある「闇の気持ち」について書いていきます。それぞれの「闇の気持ち」がどのように「金の気持ち」と近いのかを理解することによって、「闇の気持ち」に堕ちる罠を知ることができます。そのことによって、「闇」に対して適切な形で心の闘いを行なうことができ、「金の気持ち」から「闇の気持ち」に堕ちるリスクを減らすことができます。

「金の気持ち」から堕ちやすい「闇の気持ち」は、「相手を大事と思う」が故に堕ちやすい「闇の気持ち」です。また、「金の気持ち」は「水の気持ち(問題解決の心)」や「火の気持ち(闘いの心)」のように、困難な状況を改善することを目指す方向性を元々持っていない気持ちなので、そういった特徴が故に堕ちやすい「闇の気持ち」もあります。


・「欲望(支配欲・独占欲)」「依存」「執着」

「金の気持ち」の「相手を感じたいと思う気持ち」は「自分のため」に「相手を感じたいと思う気持ち」に繋がっていきやすく、そういった「気持ち」から、相手を「自分のため」に自分のものにしたいという「独占欲・支配欲」や、相手に対する「依存」や「執着」などに堕ちていきやすい性質を持っています。


・「恐怖」「不安」「被害妄想」「疑い」

「金の気持ち」は「相手を大事に思う」からこそ、相手を失ったり、相手が苦しむことに対して「恐怖」や「不安」を抱きやすい性質を持っています。また、相手を失うことに対する「恐怖」や「不安」が、「被害妄想」や相手に対する「疑い」へも繋がっていきやすい性質を持っています。
 

・「絶望」

「金の気持ち」の「相手を大事に思う気持ち」は、相手を失った時の強い「絶望」に繋がりやすいものです。また、自分が愛する相手が本当にどうしようもない状況に堕ちた時には、そのことによって自分も「絶望」することにも繋がりやすい性質を持っています。
 

・「嫉妬」

「金の気持ち」の「相手を感じたいと思う気持ち」は自分は相手を感じることができず、他の誰かがその相手を感じることができるのであれば、「嫉妬」に堕ちやすい性質を持っています。また、「金の気持ち」が「支配欲」などに堕ちていった場合などは、「支配欲」などから「嫉妬」に堕ちていくことにも繋がります。
 

・「後悔・罪悪感」

「相手を大事に思う」からこそ、自分のせいで相手を傷つけてしまった場合などに、「金の気持ち」は「後悔・罪悪感」に繋がっていきやすい性質を持っています。


・「苛立ち」「憂鬱」

「金の気持ち」は「相手を感じたい気持ち」があるからこそ、相手を感じられない状態が続くと、「苛立ち」「憂鬱」にも堕ちやすい性質を持っています。

 

・「比較の闇(優越感・劣等感)」

「相手を大事に思う気持ち・相手を感じたい気持ち」は相手と愛し合いたいという気持ちに繋がっていきますが、相手に愛されたいと思うことが自分の劣っている点に対して「劣等感」を感じさせやすく、自分の優れている点に対して「優越感」を感じさせやすい性質を持っています。
 

・「怠惰」「甘さ・馴れ合い」

「金の気持ち」は「水の気持ち」や「火の気持ち」のように現状を変えようという方向性を持たず、自分の愛する人が「幸せ」であれば満足してしまう傾向があります。そういった傾向が「怠惰」や「甘さ・馴れ合い」に繋がっていきやすい性質を持っています。


・「逃げ」

「金の気持ち」は「水の気持ち」や「火の気持ち」のように現状を変えようという方向性を持たないので、本当に絶望的な状況が目の前に来ると「逃げ」たくなる性質を持っています。


・「焦り」「混乱」

「金の気持ち」は「水の気持ち」や「火の気持ち」のように現状を変えようという方向性を持たないが故に、現状を変えないといけない状況などでは「焦り」に堕ちやすい性質を持っています。また、思考をしなければならない時に、「水の気持ち」のように「問題解決」の思考ができないので、「混乱」にも繋がりやすい性質を持っています。

 

・「Mの快楽」

「金の気持ち」の「相手を感じたいと思う気持ち」は「Mの快楽」に繋がりやすい性質を持っています。「Mの快楽」とは相手から精神的・肉体的に攻撃されることから「快楽」を感じる気持ちのことですが、「金の気持ち」は相手を感じることから「喜び」を感じるので、相手を感じる方法が相手からの攻撃に繋がっていくと「金の気持ち」が「Mの快楽」にすり替わっていきます。


※補足説明

・「悲しみ」

「金の気持ち」は「相手を大事に思う気持ち」だからこそ、自分が愛する相手が苦悩していると、「悲しみ」に堕ちやすくなります。「悲しみ」そのものは「闇の気持ち」ではなく「中立の気持ち」ですが、「金の気持ち」と「悲しみ」は密接な関係を持っているので、補足説明させて下さい。

「悲しみ」そのものは、「悲しみ」を抱いているその瞬間に「相手を大事に思う気持ち」は内に含まれておらず、ただ「悲しみ」だけです。それに対して、「金の気持ち」の中にある「苦悩」は必ず「相手を大事に思う気持ち」が含まれています。例えば、上で例に挙げた柴田淳の歌は「悲しみ」を歌ってはいますが、その歌声に「愛」は必ず含まれています。だからこそ、柴田淳は「悲しみ」そのものを歌っているわけではなく、「愛」の「悲しみ」を歌っている歌手と言えます。

「中立の気持ち」の「悲しみ」と「金の気持ち」が抱えている「悲しみ」は、言葉にしてしまうと「悲しみ」という言葉でくくられてしまうのですが、実際は「愛」の有無で異なるものと理解して頂けると幸いです。
 

【最後に】

「金の気持ち」は全ての「光の気持ち」のきっかけとなる部分を作ります。このことがこの時代に「金の気持ち」がとても重要な理由です。「愛」が強くなれば、「相手のため」に何かをしたいと思えるようになります。そして、それぞれの人は自分が実践しやすい「愛」が異なるので、それぞれの人間が異なる「愛」を実践することで、様々な「支え合い」が生まれ、「支え合い」が続いていきます。そうすれば、皆が「幸せ」に生きていくことができます。

このような意味で、「金の気持ち」がとても重要だということを知って頂けると幸いです。