「甘さ・馴れ合い」についての解説録音はこちらです。聴いて頂けると幸いです。

 

ここでは「甘さ・馴れ合い」について解説を書きます。

「欲望」には複数の種類がありますが、「甘さ」は一つの「欲望」の「気持ち」だと理解して頂けると幸いです。「甘さ」が「欲望」であるということについては、以下の解説を理解して頂ければ納得して頂けると思います。


【「甘さ」=「自分が楽をするために、すべきことをしなくていいと判断したくなる欲望」】

「甘さ」とは、「すべきことをしなくていいと判断する気持ち」です。これは「怠惰」=「すべきことをしたくないと思う気持ち」ととても似ています。「甘さ」も「怠惰」も本質的には「楽をしたい」という「欲望」だからです。「怠惰」は「楽をするため」にすべきことを単純にしないのに対して、「甘さ」は「楽をするため」にすべきことをしなくていいと判断することによって、自分がそれをしないことを肯定化します。

「すべきことをしていない(怠惰)」と考えるよりも「それはしなくていい(甘さ)」と判断する方が楽です。「甘さ」は「楽をすること」を「欲望」するからこそ、「それはしなくていい」と思いたくなる「欲望」です。「怠惰」と「甘さ」の違いを理解することはとても大事なことなので、この説明を覚えて頂けると幸いです。

それを「すべき」か、「しなくていい」かを適切に判断する上で、「しなくていいと思いたい」という「欲望」を抱くことはとても危険です。何故ならば、そういう風な「欲望(甘さ)」を抱えていると、客観的に判断をするのではなく、「それをすべき」理由を見ずに「それをしなくてもいい」理由を探し始めるからです。

物事を適切に判断するために必要なことは、対立する両方の立場に立つことです。例えば、喧嘩をしている二人がいたら、その両方の話を聞かなければ「真実」は見えてきません。それと全く同様に、それを「すべき」か「しなくていい」かを判断するためには、「すべき」ことの理由と「しなくていい」ことの理由の両方を徹底的に考えて、その上で判断をする必要があります。「甘さ」という「欲望」を抱えていると、「しなくていい」ことの理由しか探さなくなっていくので、適切な判断ができず、自分が間違っていることにさえも気付けなくなっていきます。「甘さ」はそういった力を持った「欲望」であって、常に我々に忍び寄りつつあるとても気をつけるべき「闇の気持ち」です。

例えば、この文章を読んでいる時でさえも、「甘さ」はすぐそこにあります。例えば、「甘さ」を持っていると「甘さは自分は持ってないから、この説明は読んでも無駄かな」ということを思ったりします。そして、この考え方が正しいことばかりを考えて、この考え方が間違っている可能性を考えなくなります。つまり、自分が「甘さ」を持っているかもしれないということを吟味することなく、この文章を読んでも無駄だということばかりを考えて、文章を読むことをやめてしまいます。

「甘さは自分は持ってないから、この説明は読んでも無駄かな」という考え方が本当に正しいかどうかを判断するためには、少なくとも以下のことは考える必要があります。

・自分が甘さを本当に持っていないのか、それとも、本当は持っているのか
・自分が甘さを持っていなければ、「甘さ」について理解する必要がない、と言えるのか
・この文章が本当に読むべき価値に値しないのかどうか

これらは全て「問い」ですが、「真実」を見抜く上で必要なスタンスは「問い」のスタンスです。「甘さ」はこういった「問い」を作らせない力を持っています。だからこそ、「甘さ」を持つと「真実」が見えなくなり、間違った考え方を正しいと判断し始めます。

「真実」が何なのかを見抜くためには、よく考える必要があります。それに対して、「甘さ」は根本的には「楽をしたい」という「欲望」ですから、「考えることがめんどくさい」と無意識に思っている側面があります。そういった「考えることがめんどくさい」という「嫌悪」の意識が、「考えることをやめたい」という「欲望」に繋がっていき、「真実」が何なのかを突き止める前に、どこかで思考を止めさせます。そのことによって、自分が間違っていることにも気付けません。

我々が何かを考える時、必ず我々は何らかの「気持ち」を使っています。ですから、「思考」は「気持ち」から強く影響を受けるものです。「甘さ」で「思考」をすることの危険性はこういった構造であることを知って頂けると幸いです。その上で、絶対に「甘さ」で物事を考えない癖を付けて頂ければ、と思います。

物事の「真実」を最も見抜きやすい「気持ち」は「水の気持ち」です。何故ならば、「水の気持ち」とは「問題解決の心」であって、「真実」を解き明かすことは「問題解決」だからです。ですから、「水の気持ち」は「真実を解き明かすための気持ち」と言ってしまってもいい程の「光の気持ち」です。

「水の気持ち」は「甘さ」が「しなくていいと思いたい」と思うことなどとは異なり、「〜と思いたい、〜であってほしい」とは思いません。何故ならば、「〜と思いたい、〜であってほしい」といった「気持ち」は「欲望」であって、「水の気持ち」は「欲望」とは相反する「愛」の方向性だからです。

「水の気持ち」は「愛」の実践のために「問題解決」を目指す気持ちだからこそ、「水の気持ち」でこの文章を読んでいると、例えば次のような発想が浮かんできます。「この文章を理解することはとても大事だ。何故ならば、自分も甘さを持っていないとは言えないし、何よりもこういったことを理解すれば、甘さを抱えている多くの人に適切なアドバイスを与えられるはずだから」といったものです。この発想は自分が抱えている「甘さ」という「問題」を「解決」しようとすること目指し、他者が抱えている「甘さ」という「問題」を「解決」しようとすることを目指す気持ちから生まれる発想です。

こういった「思考」に繋がるような気持ちを持つことが大事ですし、「水の気持ち」はそういった「思考」を生む「気持ち」ですから、何かを判断する際にはとても大事な気持ちです。

「甘さ」と「怠惰」が非常に近いことを最初に説明しましたが、「甘さ」と「水の気持ち」が相反することも理解して頂けると幸いです。こういったことを理解できれば、「水の気持ち」の価値をより強く理解できます。
 

【「馴れ合い」=「自分が楽をすることを正当化するために、他者に対しても、それをする必要がないと思わせたい欲望」】

「甘さ」は「すべきことをしなくていいと判断したくなる欲望」 ですが、「すべきことをしなくていいと判断する」ための方法はいくつかあります。その一つが「馴れ合い」です。

「馴れ合い」とは、「自分が楽をすることを正当化するために、他者に対しても、それをする必要がないと思わせたい欲望」です。例えば、こういった形です。

A:「バスタオルって使ったら毎回洗う?毎回洗うと洗濯大変なんだよねー」(怠惰)
B:「私は洗ってないけど、絶対洗わなくていいよ。だって、綺麗になった体を拭いてるだけなんだから、汚れるわけないよ。」(馴れ合い)
A:「そうだよね!絶対洗わなくていいよね。ありがとう。」(馴れ合い)

Aは自分の「怠惰」が原因で「バスタオルを洗うのがめんどくさい」と思い、「バスタオルを洗わなくてもいい」と思いたいが故にBにアドバイスを求めています。それに対して、Bは自分がバスタオルを洗わないことを肯定化するために「バスタオルは洗わなくていい」という考え方が正しいことをAに伝えています。それを伝えられたAは元々「バスタオルを洗わなくていい」という答えを返されることを望んでいたので、嬉しくなっています。

この二人は「相手のため」に話しているわけではなくて、「自分のため」に話しています。その結果として、何が「真実」かを探さず、何がお互いにとって都合がいいかを探しています。「欲望」「怠惰」「甘さ・馴れ合い」といった「闇の気持ち」に同調していると、このような形で間違った方向性へ進んでいくことになります。

こういった会話を行ない、お互いを「自分が楽をするため」に利用している集団が一般的に言われる「馴れ合い」の集団です。

「皆やってないんだから、私もやらなくていい」という判断を我々日本人はよくやります。「皆やってないんだから、私もやらなくていい」という判断自体は間違っているのですが、「甘さ」を抱えているとこの判断をしたく


※続きは後日書きます。
 

※録音説明の内容

「甘さ・馴れ合い」について。「怠惰」との違い解説
00:40 「甘さ・馴れ合い」について話すが本質的には「甘さ」がどう言うものか伝えるための録

音と説明
01:00 「甘さ」は絶対みんな持っている。持たないことが難しい。
01:40 「甘さ」をわかりやすく言うと「こんぐらいでいいしょ~」。
この言葉に「ウンウンいいと思うよ~」が「馴れ合い」と解説。感覚的にはこれで全て。 02:10 一人でやる時が「甘さ」他人とやる時が「馴れ合い」。

「馴れ合い」は「甘さ」を助長する。
02:50 「甘さ」とは「本当はすべきことをしなくていいと思う気持ち」。

「怠惰」ととても似ている。「怠惰」は「すべきと思うことをしたくない」と解説。 03:50 「怠惰」と「甘さ」の違いを認識する重要性を解説。他人に指摘するときも自分に起こる

    ときも認識する必要がある。何かと向き合う時に起こる「このくらいでいいかな」が
   「甘さ」で「めんどくさいな」が「怠惰」と解説。

05:20 「甘さ」と「怠惰」に共通するのは「楽という快楽を欲望」して、「それをやることを嫌 悪している」。本質的には同じだが判断の仕方が違うからわざと分けている。

「怠惰・甘さ」と言ってもいいくらいだが性質が違う。「分けた」方がよくわかる。 06:10 「怠惰」の集団と「馴れ合い」の集団の話。「馴れ合い」の集団の方が多い。 07:30 この社会に「馴れ合い」が多い話。

○「甘さ」を通して「愛」と「欲望」解説
08:10 「甘さ」の本質は「すべきことをしなくていいと思う気持ち」だがこの気持ちは

「水の気持ち」と似ていると解説。「水の気持ち」は「これはすべきじゃない」と考える。 08:30 「水の気持ち」は「問い」を行い「これは本当にすべきでない」と判断するとしない。

   「甘さ」は「本当はすべきだとわかっているが、自分が怠けたいからしなくていい」とい
    う気持ちと解説。

09:30 「水の気持ち」で「すべきでない」と判断することを説明。
例 会社で仕事をしている時にすべきでないことをすると時間をロスして同僚に迷惑がかか

る。「水の気持ち」でみんなを助けて仕事するためにもすべきでないことには手をつ けないと判断する。

10:00 「欲望」もすべきかすべきじゃないか判断するということ。 会社の仕事ですべきじゃないと判断する心理の裏側解説。

例 出世を目指すのであれば、最短で最高の仕事をし上司に認められたいと思う。 自分の欲望の実現のためにこれはすべきじゃないと判断。

10:40 「欲望」には「自分のための問題解決」の面がある。「欲望」でも「問題解決」をする 必要がある。

11:30 「光の気持ち」・「闇の気持ち」の対立の中にはお互いに同じことができることがあ る。どんな気持ちでも思考はできる。気持ちの対立を知ると自分が「光」「闇」どち

ら側に行くのかを判断することができる。

○「甘さ」に近い光の気持ち
12:30 「甘さ」「怠惰」は「元気・笑い」「風の気持ち」に近い。
12:40 「風の気持ち」の判断解説。「本当はすべきだけど相手のためにそれはしなくていい」。

「風の気持ち」は思いやりをやってしまう。でも「風の気持ち」は相手のため。 13:40 「元気・笑い」は「楽しいことをしたい」という心理から「楽をしたい」につながる。 14:30 どの光の気持ちを抱くと「甘さ」「怠惰」に堕ちるかを解説していると説明。 15:30 「金の気持ち」も「甘さ」「怠惰」に繋がりやすいことを解説。「金の気持ち」は 「相手に苦労して欲しくない」気持ちから「風の気持ち」と同じようになる。
17:00 「金の気持ち」が相手のために「これはしなくていい」というのは「愛」

○「感情」と「思考」で「甘さ」という言葉がふた通り使われていること。
17:20 「甘さ」という言葉の本質が見えづらい理由解説。判断が甘いことを「甘さ」と言われが

ち。「甘さの感情」と「判断の甘さ」は別。判断は「思考」。感情は「気持ち」 18:00 「思考」で「甘さ」が出る場合=「賢さ」が足りない。
18:20 「賢さ」の必要性について。「賢さ」が足りないと「光の感情」を抱いていてもマイナス

のことをし始める。例「闘いの心」で何でもかんでも接すればいいわけではない。 19:30 「甘さ」の判断が「甘さ」の感情に捕まっているわけではないという話。

例「風の気持ちで「しなくていい」と判断したがその判断が会社に悪影響を及ぼした。気 持ちは「風の気持ち」だが「風の気持ち」の実践としては間違っている。

20:10 「甘い」という言葉が「感情」か「思考」か明らかにすることの必要性。自分は 「賢さ」が足りないのか「甘さ」の感情に堕ちているのかが分からないと「問題解決」

ができない。 21:10 「甘さ」まとめ

感情「すべきことをしなくていいと思う気持ち」 ←楽をしたい「欲望」と苦労したくない「嫌悪」から

判断「賢さ」が足りない。先ほどの「風の気持ち」の例だと部分だけ見て全体を見ていない 21:50 「部分と全体」の話。この観点を持たずに判断するとよく判断を誤る。
22:30 社会が「部分と全体」の発想を教えないことはあまりに間違っていること。

    たとえ経済的発展を目指すのであっても。

○幸せを通して必要・十分条件を解説 23:00 フィリピンと日本の比較から必要・十分の解説。

・ある程度経済的に豊かな国になることは人が幸せになるために必要だ=必要条件。 ・経済的豊かになることが人が幸せに生きるために十分なことではない=十分条件ではない。 24:20 前提と結論の考え方。
24:50 文科省が前提結論のことを意識化していない問題。

指摘する人間が少ない=「水の気持ち」が数ない 26:00 「欲望」は「問い」をしなくなり社会が悪くなること。

○「馴れ合い」解説。
27:40 「馴れ合い」はお互いに「甘さ」を助長するための行為と解説。

A「このぐらいでいいよね」B「ウンウンいいと思うよ」のAは自分が怠けたいだけ。 この判断が正しいと思いたいが故に他人に尋ねる。Bはいわゆる適当。

28:20 「適当」をやっている人間の心理。適当は甘さの判断 ・人に嫌われたくないために「ウンウンいいと思うよ」は人に好かれたい「欲望」。一般

    には「適当」と言われる人。適当は感情でなく判断。相手に対する「愛」が欠けている

場合と「風の気持ち」「金の気持ち」で判断を間違えている場合がある。 29:50 「適当」という言葉について。カタカナは「いい加減に」漢字は「的確」など使い分け

る必要がある。誤読しやすく厄介。誤解を与える。 31:00 「適当」は「賢さ」が足りないと誤解を与える。 32:00 「甘さ」の感情で「ウンウンいいと思うよ」を単純に「甘さ」 32:50 「馴れ合い」は人間をダメにする。「馴れ合い」集団は楽さを肯定してくれるから楽。

○日本社会における「甘さ・馴れ合い」
33:30 日本社会に「馴れ合い」が多いこと。政治に関心がないなど。 34:40 政治と自分の日常が関係ないと思っていること。現代人は自分のために生きているのに

政治に興味がないことの不思議さ。 35:30 単純に現代人が「甘い」。問題に対する意識が低い。「甘さ」と「馴れ合い」が組み合

わさって問題を深刻に考えなくていいという傾向ができている。 36:20 先ほどの演技の「馴れ合い集団」のような人でなくても馴れ合っていること。いろんな

ことに「無関心」 36-30 芦刈純が「心の成り立ち」を知ることは大事だと言っても届かないのは、そんなこと知

らなくても生きていけるという「甘さ」から
37:20 アメリカと北朝鮮の問題。 37:40 核の問題に関して日本人が責任感を失っていること。「甘い」から。 38:10 被爆者の映像を撮る、いろんな声を保存する。などやるべきことはある。 38:50 「闇」の気持ちがいかに社会を狂わせているか.「光」の気持ちの少なさ。 39:00 「元気・笑い」はお笑いが支えてくれているが「闘いの心」「水の気持ち」「風の気持

ち」は少ない「土の気持ち」は使い方が難しい。「金の気持ち」はある人はあるが 全体的に少ない。「闇の気持ち」が荒らしまくっている。

39:30 「気持ち」によってこの世界は動いていること解説。「光」の価値と「闇」の恐ろしさ 40:00 「馴れ合い」は求めないこと。「みんながそうだから~」はダメ。

○判断を誤らないために必要なこと。
40:50 判断を誤らないために賢さを育成すること。いろんなことをわかっていることが大切。

   「部分と全体」の発想など。視野が狭いと判断ミスる。「必要条件十分条件」

「前提・結論」「三段論法」「包含関係」など論理の基本を知ること。 41:30 論理の基本などを日常に生かしていくこと。
42:10 受験の証明問題の話。
4240 必要十分の考えを持ってないと必要十分を使って解く問題は解けない。周りの人からは

   「甘い」と言われるだけ。周りの人も必要十分が定着していないからどこがどう「甘い」
    かを指摘できない。

43:10 他人に教える大変さ。その人が抱える問題を明らかにし、その問題解決法を教えないと いけない。時間がかかる。他人に対する「愛」が必要。

44:00 説明シリーズは最初のベルの音が不愉快な音がしたら録音はしない。今回なぜか一番ミ スった。その時思わされたのは「これでもいいかな」。
これは「甘さの前は甘さを経験した方がいい」ということ
44:40 「甘さ」という問題は密接。常に我々は判断している。「問う」必要性。

   「甘さ」に捕まると確実に間違う。