オカルトのように感じて頂きたくはないのですが、悪魔のことを的確に描いた映画を観ることで、我々は敵のことをよく知ることができます。この点に、悪魔や鬼のことを描いた作品の価値はあります。

近年だと『鬼滅の刃』が大変流行っていて、この作品も悪魔(鬼)の本質をよく捉えた作品ではありますが、他にも様々な優れた作品はあります。

悪魔は典型的なホラー映画などで取り上げられるような存在ではありません。悪魔とは「邪気」を司る目に見えない存在であり、「邪気」を通して人間をコントロールしている存在です。そして、「邪気」とは我々にとって身近な存在だからこそ、悪魔は我々にとって極めて身近な存在です。

「気持ち」という言葉が「気」を「持つ」と書くように、我々は悪い「気持ち」を抱くなら「邪気」を「持つ」ことをしてしまいます。また、悪い「気持ち」で強く「気合」を入れるのであれば、「邪気」をかなり「合わせる(持つ)」ことになります。

そういったことの危険性を理解することが生きていく上で非常に大事なことですから、その点を描いた作品を紹介していきます。つまり、酷く「邪気」を抱えることにより、悪魔に憑依された状態となってしまった人物を描いた作品を紹介していきます。

こういった作品は敵を理解することに繋がる意味では役立つのですが、観ることで気持ち悪くなったり、トラウマになってしまうものもあるかもしれません。ですから、もし観られる場合は相当心して観る必要がありますし、状態の良い時に御覧になって頂けると幸いです。各種動画配信サイトから観ることができます。
 

【ジョーカー】
 


人間が「邪気」を強く宿すことにより悪魔懸かりを実現することについて、『ジョーカー』程に優れた作品はありません。

例えば、この作品はゴミのせいで街が臭くなっていることを伝えるニュースから作品が始まりますが、ゴミとは「邪気」を宿すものであって、だからこそ、街中にゴミが溢れると人間は「邪気」を持ちやすくなります。

そういった背景を前提に、心に「弱さ」を持つある男が「闇」の力を手に入れていく過程が非常に段階的に描かれています。

 

【ブラックスワン】
 


『ジョーカー』同様に『ブラックスワン』も、周りの人物達の言動を通して、段階的に主人公が「闇」に堕ちていく様が描かれます。

この作品はドラッグが「邪気」を集めることを促している点も描かれているので、ドラッグの危険性を理解する上でも役立ちます。また、ジョーカーよりも幻覚に関する描写が多く、「邪気」が幻覚を見せるという構造も学ぶことができます。

 

【ダークナイト 】
 


『ダークナイト』でジョーカーを演じたヒース・レジャーは実際に悪魔に憑依をされており、だからこそ、凄まじい演技をしたのですが、その後に悪魔によってヒース・レジャーは殺されました。

この作品は人が「邪気」を抱えていく過程を描いた作品ではありませんが、このヒース・レジャー程に悪魔懸った演技は人類史上かつてないので、悪魔についてのイメージを学ぶ上で役立ちます。

 

【ディアボロス/悪魔の扉】
 


『ダークナイト』のヒース・レジャーと同様に、この作品のアル・パチーノの演技を通して我々は悪魔に対する適切なイメージを抱くことができます。また、シャーリーズ・セロンがどんどん「闇」に堕ちていく様を通して、我々は「寂しさ」などの恐ろしさなどを学ぶことができます。

この映画は20世紀末に作られた映画ですが、21世紀の今の本質を非常に強く捉えた作品です。例えば、映画の最後には、悪魔が「虚栄心」という「欲」を好むことが表現されますが、現代はSNSを通して人類はかつてない程に「虚栄心」を実践している時代です。

様々な意味で、この作品は重要な意味を持っています。

 

【マシニスト】
 


この作品は『ジョーカー』や『ブラックスワン』程に有名ではありませんが、「邪気」を集めていく主人公を描いた傑作です。

この作品の主人公は不眠症に悩まされていますが、睡眠は我々が「邪気」を浄化する上で非常に大事なものです。しかし、「邪気」を抱え過ぎると眠れなくなり、「邪気」を浄化しづらい悪循環に捕まります。

「邪気」を抱え込み精神を病み、周りから「気狂い」扱いされる人間が、本人の認識ではどのように見えているのかを理解する上でも役立ちます。また、「罪悪感」の危険性を学ぶこともできます。

 

【ファイトクラブ】
 


この作品も『マシニスト』と同様に、主人公は睡眠障害を抱えていますが、この主人公の場合、夢遊病症状を持っていることが特徴的です。映画をご覧になってから夢遊病について調べて頂くのが好ましいと思いますが、「邪気」を通して悪魔が夢遊病を使っていることを学ぶことなど、様々なことを学ぶことができます。

この作品に登場する悪魔は、このページの中で取り上げている悪魔の中でも最も良い悪魔です。何故ならば、その悪魔の持つ哲学が極めて的確なことも多いからです。

 

【ザ・セル】
 


この作品はある殺人鬼の心の中に入る様子が描かれる作品で、その主人公が何故「闇」に堕ちたのかという点や、その主人公に取り憑いた悪魔が非常に直接的に描かれており、「闇」の性質を理解する上でも悪魔のイメージを得る意味でも役立ちます。しかし、とても不快な描写が多いので、必ずしもオススメできません。

 

【ビューティフルマインド】
 


この作品は幻覚について最も強く描写している作品であって、その恐ろしさを表現しています。非常に大きな「賢さ」を持つが故に悪魔に狙われた人物が主人公として描かれます。幻覚の影響によって、周りの人間からすると「気狂い」でしかない人間がどのような認識を生きているのかを理解することを強く促してくれます。

 

【ヴェノム】
 


この作品は非常に分かりやすい形で悪魔や「邪気」のことを描いている作品なので、悪魔や「邪気」についてのイメージを持つ上で役立つ作品です。「邪気」を持つことは悪魔にコントロールされることであり、その構造を非常に分かりやすく描いています。

ただ、この作品で描かれている悪魔は悪魔の中でも良い方の悪魔なので、悪魔全員がヴェノム程にいい悪魔でないことは知っておいて頂けると幸いです。

 

【ゴーン・ガール】
 


この作品はとてつもなく悪魔懸かった女性を描いており、その言動を通して、我々は悪魔の精神性を理解することができます。以下に取り上げるラース・フォン・トリアー作品とも繋がりますが、大変不快に感じる表現も多いので、必ずしもオススメしません。しかし、この作品程に「闇」に堕ちた女性の精神性を描いた作品はあまりないことも事実です。

 

【ラース・フォン・トリアー作品】

映画監督のラース・フォン・トリアー程に、深い「闇」の精神性を描いてきた監督はいません。ですから、自ずと彼の作品は「邪気」の恐ろしい性質が表現されており、深い「闇」の本質を理解する上では役立ちます。

しかし、非常に観るのが苦しい作品や不快に感じる作品ばかりですから、鑑賞することを必ずしも薦めません。ただ、簡単に解説を書いていきます。


・『メランコリア』『アンチクライスト』『ニンフォマニアック』
 


これらの作品の主人公の女性は全て「邪気」によって悪魔懸かっていますが、その方向性は異なります。『メランコリア』の主人公は鬱的な方向性、『アンチクライスト』は攻撃的な方向性、『ニンフォマニアック』は性欲的な方向性です。『アンチクライスト』と『ニンフォマニアック』は極めて不快です。


・『ハウス・ジャック・ビルト』
 


芸術的な観点によって殺人を実践する、ある殺人鬼の精神性を描いています。ラース・フォン・トリアーの作品の中でも極めて不快な作品ですので、オススメはしませんが、芸術系殺人鬼の精神性を描いた作品の中では人類史上トップなのかもしれません。


・『ドッグヴィル』『マンダレイ』
 


この二つの作品は心に「闇」を抱えた悪魔懸かった人々によって、主人公が「闇」に堕ちていく様が描かれています。観ていて辛くなる作品ですが、「闇」の恐ろしさを理解することはできる作品です。

 

【最後に】

このページで取り上げた作品以外にも、悪魔のことを表現した様々な作品はあります。このページでは優先順位の高いものと、最も深い「闇」を描いた作品だけを取り上げました。悪魔という敵の本質や、悪魔がどのように人間をコントロールしているのかを知るために、これらの作品を役立てて頂けると幸いです。

特に、『ジョーカー』『ブラックスワン』『ダークナイト』の3本は御覧になって頂けると幸いです。『ダークナイト』は悪魔のことを理解する意味以外にも、様々な意味でとてつもなく重要な作品です。