http://junashikari.com/artist-support/what-is-art/

上のリンクで「芸術とは何らかの精神性の真実を捉えたもの」という芸術の定義を説明しましたが、ここでは芸術の種類について説明していきます。

芸術の種類を説明しようとすると、自ずと精神性の種類を説明することに繋がります。なぜならば、様々な精神性を表現するものが芸術だからです。

我々人間が抱くことのできる精神性は大きく分けて2種類に分けることができます。それは「善」と「悪」とも言えますし、「光」と「闇」とも言えます。今の日本においては、「光」と「闇」と説明すると宗教的な感覚で捉えられがちですが、実際はそうではなく我々の精神について理解しようとすると、自ずと「光」と「闇」という言葉に集約されます。

例えば、太陽が出ている時間は「光」の時間なのに対して、太陽が沈んだ後は「闇」の時間ですが、我々人間は太陽が出ている時は、自ずと太陽からの「光」の影響を受けるのに対して、太陽が出ていない時間は、自ずと「闇」の影響を受けています。だからこそ、太陽を浴びていると元気になりやすいのに対して、太陽を浴び続けない日々を過ごしていると鬱病になりやすいです。

この「光」と「闇」という観点が、芸術の表現する精神性の説明にも当てはまります。そして、「光」の中にも様々な種類の「光」がありますし、「闇」の中にも様々な種類の「闇」があります。それらを事前によく知っておくことが作品制作をする上でとても大事で、そのためにも、まず最初に、芸術における「光」と「闇」の違いの意味を理解する必要があります。

最も大事な事は「光」を表現する芸術は他者の心を「光」へ導くのに対して、「闇」を表現する芸術は他者の心を「闇」へ導くと言うことです。例えば、「光」の精神を歌った歌はその「光」の精神性の価値を聴く人に教えますし、「闇」の精神を歌った歌はその「闇」の精神性の快楽を聴く人に教えます。このようにして、鑑賞者は芸術から影響を得ながら、自分自身を少しずつ変えています。

「光」へ向かうことには様々な良い影響があります。その人自身が「幸せ」に近づくこともできますし、その人が周りの人を「幸せ」にしていくということにも繋がりますし、本当の「強さ」といったものを養うことにも繋がるからです。その結果として、心が「美しさ」を獲得することも多くあります。

それに対して、「闇」へ向かうことには様々な悪い影響があります。その人自身が「不幸」に近づきますし、その人が周りの人間を「不幸」にしていくことにも繋がりますし、「弱さ」を強める力さえも繋がるからです。その結果として、心が「醜さ」を獲得することも多くあります。

こういったことが分かってくると、「光」の芸術は本質的に価値があるものに対して、「闇」の芸術はとても有害なものであるということが分かると思います。こういった観点が今の日本には不足しているが故に、「光」を表現する芸術家が自分がどれだけ価値のある事をやっているのかという自覚も足りていないですし、「闇」を表現する芸術家が自分がどれだけ悪しき事をやっているのかという自覚も足りていません。

芸術家と呼ばれる人たちはその芸術制作を「誰かのため」もしくは「自分のため」に行なっています。そして、本当に「誰かのため」に作品を作ろうとする芸術家は自ずと「光」を表現しやすいのに対して、本当は「自分のため」に作品を作ろうとする芸術家は自ずと「闇」を表現しやすいです。

つまり、「愛」で作品を作ろうとする芸術家は他者の心を支える作品を生み出しやすいのに対して、「欲」で作品を作ろうとする芸術家は他者の心に害を与えやすいです。つまり、「光」は「光」を生み出し、「闇」は「闇」を生み出すということです。

こういった芸術の「光」と「闇」という観点と、その芸術がどれだけその精神性を表現できているのかという事は無関係です。そして、より優れた形で何らかの精神性を表現することができている作品の方が人々は共感しやすいですから、そういった作品が多くの人の支持を得ることになります。

現在の日本の様々な作品が生み出されるシーンを見渡していると、「光」の芸術が減り、「闇」の芸術が増える傾向にあります。そして、「闇」の芸術のレベルが次第に上がっているのに対して、「光」の芸術のレベルは下がっていってるように見えます。

こういうことが今後も繰り返されていくと、自ずと「闇」の芸術のレベルが「光」の芸術よりも高くなってしまいますから、多くの人々は「闇」の芸術の方に心惹かれ、そういったものを鑑賞し、本当は毒であるその作品から「闇」の精神を学ぶことを繰り返してしまうことになってしまいます。

こういった現状を、芸術家逹が何とか止めていかなければ、日本という国の精神性はどこまでも「光」を弱め「闇」を強めます。その結果として、その「闇」の神性を使って人々は生きていくものですから、日本全体で悪いことばかりが起こり、この国の幸福度指数はますます下がっていくことに繋がってしまいます。

日本がどんどん悪い方向に向かっていると考える人は少なくないと思います。しかし、その根本的な原因が我々が抱いている精神であるということや、そういった精神的傾向に影響を最も与えているものとして芸術があるということを意識している人は少ないと思います。

芸術を生み出そうとする芸術家は、こういったことをまず最初に理解して表現活動と向き合うべきですし、そういうことをすることによって、「光」の芸術を生み出そうとする意志も強まり、「闇」の芸術を生み出してはいけないと言う問題意識も強くなるはずです。

こういった考え方は、芸術における基本的なことを日本中の様々なアーティストが事前に意識化して作品制作と向き合うことができる日々がいつか来ることを願っています。