新型コロナウイルスの影響で様々なアーティストが時間を持て余していると思います。しかし、見方を変えると、この機会はアーティストにとって、とても良いチャンスです。

こういった時間を使って、「そもそもアートとは何なのか」また「素晴らしいアートを生むためにどのようなことをすべきなのか」といったことを考えることができるからです。だからこそ、私としては「芸術とは何か」「芸術制作はどのようにあるべきなのか」といったことについて、それぞれのアーティストが考えるヒントのようなものを提示できると幸いです。

自分が何かを生み出そうとする時、事前にその何かが何であるのかを分かっておく事はとても大事です。逆に言うと、自分が何を作ろうとしているのかを知らない状態でそれを作るという事は非常に困難です。実際、アートとは何なのかということを説明できるアーティストはそれほど多くはなく多くはなく、そういった現状が日本のアートシーンの質の向上を妨げています。

芸術とは何かを知らずに表現活動をしているアーティストは、釣りとは何なのかを知らずに釣りをしている人と同じです。魚を釣ることが釣りであることを知っている釣り人の方が、良い形で釣りをできるのと同様に、芸術とは何なのかを知っているアーティストの方が、良い形で表現活動ができます。

また、そのアートの持っている本質的価値と商業的成功というものが必ずしも一致するわけではないということを深く理解することもとても大事です。例えば、ゴッホは生前は全然誰にも評価をされず亡くなりましたが、本質的な芸術的価値が高かったが故に後々評価された人物です。

今の日本は、アートの価値と商業的成功の関係性に対する理解が低いが故に、成功したアーティストは自分の作品が素晴らしいと思いがちですし、成功していないアーティストは自分の作品に価値がないと思いがちです。その弊害として、無価値な作品を作り続けるアーティストもいれば、価値ある作品作りを止めるアーティストもいます。

これらの問題は、アーティストがよく知るべき問題のごくごく一部であって、アーティストがアーティストとして生きていく上で知っておいた方がいいことは他にもたくさんあります。そういったことを、このホームページで整理していきたく思います。

以前、私は東京の2つの個性的なアートスペースで働いていました。だからこそ、膨大なアーティストの表現を直に見てきましたし、なおかつ、彼らとよく話してきました。つまり、様々なアーティストがどういったその存在であるのかを肌で感じてきました。また、台湾やインドなどで膨大なアーティストと関わってきたので、日本のアートシーンがどういったものなのかを客観視できます。

現在は、心理学者の立場で膨大な人間を分析し続けていますが、日本や海外で過去に関わった膨大なアーティスト達のことも分析し続けています。だからこそ、様々なアーティストが持っている可能性と危険性といったことがよく見えるようになりました。

また、自分が直接会ったわけではないアーティストについても、そのアーティストの作品や発言や文章を通して分析し続けています。例えば、分析しているアーティストに関しては、そのアーティストの作品のみならず、そのアーティストの話し声や思考なども徹底的に分析しています。

そういった、膨大な分析結果を踏まえて、アートとアーティストに関する様々な真実を書いていきたいと思います。